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2011'02.27 (Sun)

微生物学実習 その3 ウワサの耐性菌!

 他にもネタはあるんですが、毎日のように遊びまわってるのをアピールしても仕方がないので、今日はまじめに微生物学実習を振り返ります。振り返ってみると、もう1か月くらい前にやった実習なので、ほんと今さらなんですが、時間切れにならないうちに記事にしておきます。

 

 連載のその1、その2では、細菌の培養や、手指についてる細菌について取り上げました。微生物学実習では、実際には、細菌を培養した培地にいろんな試薬を加えて、その化学反応からその菌が何菌なのか同定する実験とか、小難しいことをいろいろやるんですが、あんまり記事にしてもウケると思われないので、今日は話題の耐性菌を取り上げたいと思います。

 

IMG_3642.jpg
 

 

 微生物学実習でやる実験の中に、抗生物質の細菌への効き目を観察する実験があります。どうやるのかというと…

①寒天培地に一面に細菌を一様に伸ばして塗る。1つの培地に塗る細菌は1種類です。つまり4つの寒天培地を用意して、それぞれに違う細菌を塗ってるわけですね。ちなみに、うちの大学では、大腸菌と表皮ブドウ球菌、緑膿菌、薬剤耐性ブドウ球菌の4種類の細菌を使ってます。

 

②そこに、抗生物質を染み込ませた直径1㎝くらいの薬剤ディスク4種類を①で細菌を塗ったやつの上においていきます。ちなみに、うちの大学で使ってるのは、ペニシリン、セファレキシン、カナマイシン、コリスチンの4種です。ペニシリンくらいは聞いたことがあるんじゃないんでしょうか?

 

③一晩培養します

 

④すると…↑の写真を見てもらうと分かりやすいと思いますが、薬剤ディスクのまわりに、細菌が生えていないところが生じています。この細菌が生えていない部分を阻止円といって、この領域においては、薬剤ディスクに染み込ませた抗生物質の作用で、細菌が増殖できないもしくは殺されてしまうので、細菌の増殖がみられません。

↑の写真の右に表がありますが、この阻止円の大きさで、その細菌に対する抗生物質の作用を見ます。

 

で、↑の写真に載ってる例は、ちゃんと抗生物質が効いた例なわけですが、これが効かないことがあります。

 それが、薬剤耐性を獲得した耐性菌の場合です。うちの大学で使った細菌では、緑膿菌と耐性ブドウ球菌がそれに当たります。緑膿菌は自然耐性といって、もとから抗生物質に対して耐性を有しています。全ての抗生物質が全く効かないわけではないですが、多くの抗生物質が非常に効きにくいです。うちの大学でやった実験では、コリスチンという特殊な抗生物質(副作用が大きすぎて使わざるを得ない状況を除いて、現在ではあまり使われません)以外は全くと言っていいほど効きませんでした。それ以上に問題だったのは、実際の臨床現場で患者さんから得られた耐性ブドウ球菌…薬剤ディスクを完全に無視していました。薬剤ディスクのそばだろうがなんだろうが生え放題、おかまいなしです…。ということで、抗生物質は効かない場合は、あんまり効かないじゃなくて、ちっとも効きません。むしろ体に有用な菌の方が死んでしまうので、効かない抗生物質を投与するくらいなら飲まない方が”まし”です。

 ちなみに、最近、アシネトバクターが話題になりましたが、アシネトバクターも緑膿菌も珍しい菌ではなくて、あっちこっちにふつうに生えてます。が、健康な人ではあんまり問題になりません。免疫力が落ちてきて、緑膿菌が問題になったりすると、こいつを撃退するのは厄介ですが…。

 

 なので、耐性菌を生み出さないために、抗生物質を使うときは、適切な抗生物質をちゃんと選んでから使うとか、治るまではきちんと飲む、不必要に乱用しないとか、院内で耐性菌を拡散させない、とかとかいうことが必要になるわけです。

 こういう管理は、医者の仕事ですが、処方された薬は指示通りにちゃんと飲むとか患者さんにもできることはあります。熱が下がってきたからと飲むのをやめちゃう方とかいるみたいですが、ぜひぜひ、お医者さんの指示は守ってあげてください。そのあたりの諸々の管理がきちっとできないと、インドみたく耐性菌産出国になります。耐性菌は、もはやその病院だけの問題にとどまらず、世界中に拡散していきます…。実際、抗生物質の戦いは、耐性菌とのいたちごっこです…。いつまでもつんだろうって感じはしますが…。

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テーマ : 医療系学生の学生生活 - ジャンル : 学校・教育

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